新聞連載コラム「商いは芸」
新聞連載コラム「商いは芸」2004年8月2日号
各地で花火大会たけなわである。あの腹にズドーンと響く、尺玉の破裂音を聞きながら、河川敷の原っぱに座り込み、夜空を見上げる・・・。なんと情緒あることだろう。
しかし、最近は少しでも見やすいようにと、花見の席取りよろしく、まだ明るいうちから、場所取りをしてじっと待つ。
人間は元来傲慢で欲張りだ。
どんなに待たされても、自分が一番良く見える場所で見たいのだ。「自分だけが最もいい思いをしたい!」わけだ。有名タレントのコンサートも、サッカーや野球の試合も「私様専用の桟敷席」が欲しくてたまらない。それが徹夜組の心理の奥にある。
「どこの席でも観られるじゃないか」と、いくら言っても徹夜組は、「1番前の席」を目指して、今日も並ぶ。
「あと少し待てばビデオになるじゃないか」といったところで高い金と待ち時間を費やしてわざわざ出かけて行く。テレビで観ればタダなのに「それじゃあ自分が済まない」のだ。
まことに人間の心理は、自己中心で自分勝手なものだ。しかし、みんなが分別をもったならば、入場料収入が成り立たなくなり、経済がますます冷え込んでしまう。
嗚呼、・・・徹夜組よ、もっともっと並んでくれ!
