新聞連載コラム「商いは芸」
新聞連載コラム「商いは芸」2004年12月1日号
桃栗3年柿8年という。
実がなるまでの年数をいったものだ。
自然のものはこんなにも実がなるまでにかかるが、人が作るものはもっと早くできる。
早くできるがしかし、消費者が買うスピードも追い越してしまい、いまやモノ余りに苦しむ。
今度は彼らは、次から次へといろいろな手を考える。
まずは種類を増やす。さらに、壊れれば、また買わざるをえないから寿命をある期間で壊れるようにした。
さらには早く使わせる工夫をした。
売るための工夫もある。セットで売る。売り場を模様替えして売る。
何だかとんぼが眼を指でぐるぐるまわされているようで落ち着かない。
自然は四季というサイクルを守っているが、人間のサイクルは加速度を増している。
月替わり、週替わり、日替わり・・・。これ以上早くなったらどうしよう。
何だか観光旅行に行ったつもりがバスガイドにみやげ物屋にたらい回しにされたあの気分を思い出す。
たまには桃栗3年柿8年という歳月をかけて熟成したモノが欲しいと思うのは、もう今の時代は無理なのだろうか・・・。
