新聞連載コラム「商いは芸」
新聞連載コラム「商いは芸」2005年12月20日号
古着屋が元気いいらしい。洋服だけではなく、着物も古着屋発が若者に人気のようだ。
個性的に着物を着こなした店員を見て、自分も同じように着こなしてみたいと買っていくのだろう。
「ごみ 」のなかから、「宝」を探し出す。センスとカンが勝負だ。
さらに最近の古着屋の魅力は、店自体から物語を感じさせている点も大きい。
その店や品のコンセプトに合った時代背景を、音楽や内装で漂わせる。
大正時代に、スリップしたような雰囲気。客は、その演出のなかで楽しみながら商品を選ぶ。
驚くほど高値の付くジーンズには、文化や歴史の背景が感じられる。
こだわり派にとっては重要なファクターだろう。興味のない人には、ただの古いジーパンが、ある層にはどんなに高くても買いたいモノとなる。
その価値感に付いた値段は、通常の価格とは設定が違う。古着屋同士でも共通の設定基準はなく、各店主の考えひとつ。商人の才が問われるところだ。
古着の束から、これぞというモノを探し当て売れる「商品」としての価値をつける。
そこには、商いという演出プロデュース力が大きな力を発揮する。
モノが溢れ飽きてしまった客に売るもの、それは「共感」や「感動」といった価値観なのかもしれない。
