新聞連載コラム「商いは芸」
新聞連載コラム「商いは芸」2006年7月25日号
夜の小料理屋。
このご時勢に不景気知らずの店がある。
女将はどんな美人と思いきや、ごく普通の容姿、性格は暗く、いつも何かしらで悩んでいるという。
悩んでいるくらいだから、気が回るわけでもない。
なのに常連さんが多くいつも賑わっている。
美人で明るく気が利いて、とは正反対の彼女、お客さん相手にいま困っていることを話すという。
ふしぎなことにお客さんは、彼女の相談にのっているうちに、元気な顔になるらしい。
彼女の元気のなさに元気をもらってしまうのか、
「まっ、楽しくいこうよ!そんな悩んでないで、女将お銚子もう一本」
と、なるらしい。
どうも計算してやっているようではない。
負の魅力ともいえる彼女の魅力。
その悩みにどっぷりつかっている姿が逆に、この人に比べたら自分は、元気だな。ぐちゃぐちゃと悩んでいる姿はカッコウ悪いなと気付かされるのか・・・。
悩む姿が客に元気を与える。
夜の小料理屋これもりっぱな "商いは芸"なのかもしれない・・・。
