ジャンピア大賞
「第二回ジャンピア大賞(2005年)」受賞者
最優秀テキスト大賞 新堀正則さん

このたび、栄誉ある「第2回ジャンピア最優秀テキスト大賞」をいただけることになり、嬉しさと大いなる驚きを感じています。
受賞の知らせを電話でいただいたのですが、私の未完成なテキストがこのような賞をいただいてよいものなのかと思ったのが第一の感想でした。
私は建築模型を製作する講座のテキストを作っています。
あまり一般的ではない世界のことなので、テキストの中ではなるべく専門的な表現をしないよう気をつけました。
しかし読み返すたびに不備や不明な点を発見し、訂正を繰り返しています。
まだテキスト1は建築模型の種類や役割、図面の種類や読み方、工具や材料の紹介といういわゆる「常識」の範疇ですので、ここでの試行錯誤はあまりありませんでした。
気をつける箇所としては参考文献の明示を忘れずに行うことでした。
実はこの作業の中で意外な事実に出くわしてしまい、その処理に時間をとられてしまいました。
私は私が製作した模型を私自身が撮影しているので「著作権」という問題にはあたらないと思っていました。
これが大間違いで、模型を私自身がデザインした全くのオリジナルの模型でなければ「著作権」は私には無いのです。
つまり建築模型の写真を載せるのも、許可がなければ違法であるということなのです。
このときは今までの努力がすべて水泡となってしまうのではないかと感じました。
しかしその場で歩みを止めてしまうわけにはいけません。
何しろ養う家族がいるのですから。
まず、模型の製作依頼元の担当者に事情を説明し「建築物の著作権」を持つ個人、企業に許可を取ってもらえないかとお願いしました。
しかし、なかなかいい返事をくれません。
「何のために著作権云々の問題があるのか」と怪訝に思われたのです。
実は私は大手の建築模型製作講座の関係者から多くの模型製作を受注していました。
大手の講座に書かれない「プロとしての建築模型製作のノウハウ」をテキストにまとめるつもりでいました。
当然、「テキスト製作のため」とはいえないのです。
そこで「これからの私の事情拡大のためにホームページや出版物の資料のために写真掲載の許可が欲しい」とお願いしました。
そしてようやく三ヵ月後に「最新の模型は企業秘密なので不可。それ以外は許可」という答えをいただきました。
これで大きな山場を抜け出しました。
しかし、実際の製作に入るテキスト2以降のことを考えると目眩がしました。
「オリジナルの模型」を紹介しなくてはならないからです。
当然、建築物の図面をゼロから描かなくてはならないのです。
図面はCAD と呼ばれるソフトで作成しますが、その勉強からはじめることになります。
また実際に私は「建築家」ではないので、それなりに描くためにも研究しなくてはなりません。
文字通り「匍匐前進」で這いつくばりながらの歩みです。
もちろん焦りは感じます。
時にはテキストをつくるという根本に関しての疑問を抱くときもありました。
しかし、今は一つづつ問題を解決しながら、その中での最善を尽くすしかないと思います。
いろいろなことがあった中での受賞はこれからのいい励みになります。
まだ手直しの必要なテキストでありますが高く評価していただきまして本当にありがとうございました。
日本建築模型振興会 ⇒ http://www.adsu1.jp/kentikumokei/
